著作

『女たちの江戸開城』

m_book_6

BOOKデータベースより/
慶応四年、鳥羽伏見の戦いに敗れた十五代将軍徳川慶喜が江戸へ逃げ帰って来た。慶喜追討令が出され、江戸へ向かって官軍が進発しようとしている。このままでは、江戸が火の海に包まれる。慶喜から朝廷との仲立ちを頼まれた皇女和宮の密命を受けた大奥上臈・土御門藤子は、一路京へ向かうが…。

「あとがき」より/
ハリウッド映画が好きだ。それも大がかりなしかけで、ハリウッドでしか作れないような超大作がいい。ゴージャスな舞台設定で、はらはら、ドキドキ、わくわく、うるうる、命がけの使命、身分違いの恋、男同士の友情、大切な人との別離。そんな感じの歴史時代小説が書けないものかと、ずっと考えていた。土御門藤子の存在を知った時、これなら、なんとか書けるかなという気がした。できばえはハリウッド映画の足元にも及ばないけれど、そんな意図をもって書いた。歴史の中から立ちあげた物語を、少しでも楽しんでいただけたら幸いに思う。

この本をAmazonで購入

『女たちの江戸開城』書評

小説推理10月号

小説推理10月号

細谷正充氏書評より一部抜粋
(前略)土御門藤子。陰陽頭・土御門家に生まれた女陰陽師にして、十四代将軍家茂に降嫁した皇女和宮づきの大奥上臈である。鳥羽伏見の戦いに負け、揺れ動く徳川家に不安を感じる藤子は、和宮の帰京を強く願っていた。そんな彼女に、徳川家存続を嘆願した書状を帝に送り届けるという、重い使命が下ったのである。(中略)植松三十里。本書を手にした歴史小説ファンに、その名は深く刻まれたはずだ。これからの、さらなる飛翔を約束する、秀作の誕生を喜びたい。

週刊大衆10月9日号

週刊大衆10月9日号

産業新潮10月号

産業新潮10月号

静岡新聞10月8日

静岡新聞10月8日

京都新聞10月15日

京都新聞10月15日

海坂書房時代小説倶楽部 9月24日

日経新聞10月18日

海坂書房時代小説倶楽部

毎日新聞12月18日

毎日新聞12月18日

「この1年 歴史時代小説10選」細谷正充氏書評より一部抜粋
(前略)幕末を舞台にした作品では、東郷隆と植松三十里がいい。(中略)新鋭・植松三十里は、女性作家ならではの感性で、幕末の動乱を捉えている。歴史上の事実を踏まえながら、フィクションの膨らみも兼ね備えた、楽しい作品だ。(後略)

日刊ゲンダイ12月26日
「お正月に読みたい時代小説」ベスト5

週刊新潮1月4日・11日新年特大号

週刊新潮1月4日・11日新年特大号

縄田一男氏書評「年末年始お薦めガイド・私が選んだベスト5」より一部抜粋
『女たちの江戸開城』は、西郷隆盛と勝海舟の江戸開城談判以前に、女たちによる水面下の和平交渉ははじまっていた、とする作品。徳川慶喜が和宮に朝廷との交渉を依頼した、という挿話は、吉村昭の最後の歴史長編『彰義隊』にも出て来る。本作は、和宮の命を受けた陰陽師・土御門藤子の二度にわたる決死行を興趣満天に描く。06年、メキメキと頭角を現わして来た作者の最新作だ。