著作

『お龍』

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BOOKデータベースより/
龍馬を愛し、幕末維新の動乱の時代を生きたお龍。出会いから、龍馬の死、そして流転の晩年まで、お龍の愛と運命を描く書き下ろし長篇力作。

ブログ「松の間の床の間」より/
幕末史の著名な人物の中で、私がいちばん好きな女性といえば、坂本龍馬夫人のお龍。美人で向こう気が強くて、わがままで、だらしなくて、自立できなくて。でも惚れた男だけには、たまらなく可愛い女なのだと思う。
そんなお龍を主人公にして、短い作品を書き、早乙女貢先生に原稿を見ていただいたことがある。もう何年も前のことだ。早乙女先生は誉め上手なので、「この『お龍』が世に出たら、その後、お龍を書く作家はなくなるでしょう」とまで言ってくださった。
ただ司馬遼太郎の『竜馬がゆく』という金字塔があることから、「デビュー前の新人が、坂本龍馬やその周辺人物を書いても、芽が出ない」と指摘され、そのまま原稿は長くお倉入りに。
でも、いつか『お龍』を書き直したいという思いがあって、京都や長崎、下関、高知、横須賀など、お龍が暮らした場所を訪ね歩き、460枚の原稿にまとめた。
どの作品の原稿も、編集者に渡す前に、たいがい娘に読んでもらう。娘は「今までの本の中で、これがいちばん面白い」と断言。私としては正直なところ、そこまで自信作というわけでもないけれど、若い世代には向くかもしれない。
それで帯に「幕末ラブストーリー」か「幕末恋愛小説」という言葉を入れて欲しいと、私から編集者にお願いしたのだが、帯の背に、堂々と「龍馬とお龍 幕末ラブストーリー」と書いてある。それ見ると、ちょっと気恥ずかしい。

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『お龍』書評

福島民友5月18日 読書欄

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歴史街道6号 BOOKS 今月の「幕末の女」

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週刊エコノミスト4月22日号 末國善己氏書評

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週刊新潮4月17日号 縄田一男氏書評

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上の書評から一部抜粋
「本書で肝心なのは、後半、すなわち、龍馬が死んでからなのだ。いや、注意深く読み進んでいけば、前半部分にも、その後のお龍が歩んでゆく人生に対する伏線が張られていることが判る」
「作者がこの物語を、お龍の父である楢崎将作が、京都における安政の大獄の一環で捕らわれるところから始めている点である。ために将作は身体をこわして死に、お龍は一家を支えるために、辛酸をなめることになる」
「龍馬の死後、まず第一にお龍が味わわねばならないのは、龍馬の姉・乙女との、ひいては龍馬の実家との確執。さらに、自分と龍馬との愛情のあり方が、いかに周囲に理解されていなかったか、という事実」