著作

唐人さんがやってくる

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帯から
東京オリンピックから200年前 お江戸を沸かせた大イベント!
徳川将軍の代替わりのたび来日した「朝鮮通信使」。
その行列絵図を完成させるべく、版元「荒唐堂」の三兄弟は立ち上がる!
感涙抱腹必至の書き下ろし長篇

内容紹介
日本橋の版元「荒唐堂」の三兄弟は、顔を合わせれば喧嘩ばかり。そんな折、徳川第十代将軍・家治の就任を祝うため。十六年ぶりに朝鮮から通信使ご一行がやって来ると決まった。
長男・利輔は、亡き父が望んだ「唐人行列絵図」の出版公認を幕府に願い出る。次男の市之丞は応接掛(接待役)として受け入れの準備に走り回り、三男の研三郎は、街をふらつくばり……。
豪華絢爛な行列が江戸に近づくなか、三兄弟を待ちかまえるのは結束か、決裂か!?

小説宝石11月号
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小学館STORY BOX9月号
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9月27日東京新聞夕刊
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執筆のきっかけ
朝鮮通信使は将軍の代替わりのたびに、朝鮮半島から来日した大使節団です。江戸時代に12回、来日しており、毎回、各地で大歓迎を受け、行列の絵も、何種類も残っています。
その行列絵が、オフィシャルパンフレットのように印刷されて、江戸入りの当日に配布されたという説を、ずっと前に、どこかで読んだか、聞いたかした記憶があるのです。似顔絵に、ちゃんと名前まで入れて、木版画で刷って。それが本当だとしたら、どうやって間に合わせたんだろうか?
それに通信使の衣装を真似てはいけないというお触れも出たそうで、そういうお触れが出たってことは、通信使コスプレをした人たちがいたのでしょう。コスプレ少年団と、八丁堀の旦那が追っかけっこしたり?
迎える側としては、牛や豚の焼肉料理も出して差し上げたいと思うだろうし、その辺は、どう乗り越えたんだろうかとか、いろいろ想像したのが、この作品を書くきっかけでした。
オフィシャルパンフとコスプレと焼肉という三つの要素を、ひとつのお話にまとめるには、ちょっと悩みましたが、三兄弟というアイディアが出てからは、自分でも楽しく書けました。
視点が三兄弟の間で移動しつつ、テンポよくストーリーが進んでいく作風です。楽しんで読んで頂ければ幸いです。(記/植松三十里)