内容紹介
文久三年、天皇の攘夷親征のため、公家・中山忠光は志士らと挙兵した。維新には早すぎた天誅組の光跡を描く、書き下ろし歴史長篇。
内容(「BOOK」データベースより)
産経新聞関西版7月4日
日経新聞6月4日夕刊
2015年6月1日 東京新聞
「潮」7月号
奈良新聞6月14日
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時代作家クラブ公式ブログ書評より一部引用
植松三十里の『志士の峠』は王政復古のクーデターを画策、討幕の密勅作成に関与した幕末の公卿・中山忠能の七男の、中山忠光を主人公とし、挙兵の経緯から、逃走、壊滅、そして忠光の非命の最期までのすべてを記述したもので、「実録 天誅組」あるいは「評伝 中山忠光」が副題として添えられて然るべき内容の本格的歴史小説である。時代作家クラブ書評
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「時代小説SHOW・時代小説ブックガイド」より一部引用
実は、「天誅組」の事績についても、不発に終わったことぐらいでほとんど何も知りませんでした。自身が心情的に佐幕派(幕府寄り)ということもあり、これまで、倒幕派(勤王派)の視点で描かれた物語に、共感を覚えることが少なかったので、正直、この『志士の峠』が楽しめるかどうか不安な部分もありました。
しかし、それは杞憂に過ぎず、読み始めたら、若き主人公の中山忠光の魅力と志士たちのまっすぐな生き様に惹きつけられて、一気読みすることができました。
忠光の率いる天誅組は、勤王のための先鋒隊として挙兵しながら、逆に親幕派の公家や薩摩藩などにより朝敵とされてしまいます。そして四方から幕府側各藩の大軍に攻め込まれ、満身創痍の中、勤王の思いが篤い、南朝ゆかりの大和南部の地を逃走していきます。四十日間にわたる濃密な闘いの日々を通して、男たちの信念や友情が活写されています。
時代小説SHOW*
産業新潮 8月号